イワノマメ 岩沢まめのきのブログ

WEB上で『姉の中二病喫茶が潰れそう』というラブコメ・ライトノベルを書いている岩澤豆樹のブログです。

『勇者と悪魔っ子』 ―ビジュアルノベル―

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『勇者と悪魔っ子』というビジュアルノベルです。

数年前に練習で制作したビジュアルノベルで、
フリー素材を利用させていただきました。

お暇な時にでもどうぞ。
3~5分程度で読めるショートストーリーです。

選択分岐などはありません。

※ダウンロード不要・ブラウザ上で楽しめます。
ただし『Google Chrome』にてご利用ください。
音楽はついていません。

 

★こちらより→ novel_01 『勇者と悪魔っ子』

 ※ずいぶんほったらかしにしているので、サイト上に広告が表示されまくります。すみません。

 

 

【本文】
『勇者と悪魔っ子』

冒険の途中――。
目の前に広がる川を越えようと、
橋にたどりついたときのことだ。

@悪魔っ子
「待っていたぞ勇者っ!」

橋の手前に立ちふさがったのは、
普段から、やたらとオレにちょっかいを出してくる、
悪魔族の女の子だった。

@勇者
「……またお前か」

@悪魔っ子
「クククっ……朝からずっと待っていたぞ」
「きっとお前なら、ここにやって来ると思っていたからなっ!」

@勇者
「どうしてだ?」

@悪魔っ子
「んっ!?」

@勇者
「どうしてお前は、オレがここに来ると思ったんだ?」

@悪魔っ子
「えっ……」
「そ……そりゃあ、お前のことは……」
「ふ、普段からよく、監視しているからな……」
「あ、アタシは、昼間はだいたいお前の後をつけているし……」
「夜は使い魔を飛ばして、見張らせているわけだし……」

@勇者
「んっ? 使い魔だって?」
「……そうか」
「最近オレに、やたら甘えてくるコウモリがいると思ったが」
「あれは、お前の使い魔だったのか……」

@悪魔っ子
「なっ!!」
「アタシの使い魔が、お前に甘えているだと!?」

@勇者
「ああ。すごく甘えてくるぞ」

@悪魔っ子
「ばっ、バカな……」

@勇者
「なあ、聞いたことがあるんだが……」
「使い魔ってやつは、ご主人様の精神状態に」
「ずいぶん影響されるらしいじゃないか」

@悪魔っ子
「うっ……」

@勇者
「……お前、ひょっとして……」
「オレに甘えたいのか?」

@悪魔っ子
「ばっ、バカを言うなっ!」
「そんなわけあるかっ!!!!」
「アタシは毎日、お前のことばかり考えて」
「こんなにムカムカしてるんだぞっ!」

@勇者
「そっ、そうか」

@悪魔っ子
「とっ、とにかく、アタシはだな」
「お前に甘えたいどころか」
「こうして冒険の邪魔をしてやるんだっ!」
「この橋は絶対に通さないぞっ!」

@勇者
「仕方ないな……」
「それじゃあ、川の中に入って向こうに行くしかない」

@悪魔っ子
「お前、そんなことしたら、ずぶ濡れになるぞ」

@勇者
「じゃあ、橋を渡らせてくれよ」

@悪魔っ子
「それは嫌だ」
「お前はもう、この橋の向こうに行くのを」
「あきらめたらどうだ?」

@勇者
「駄目だ。それは出来ない」
「オレはこの川を越えた先にある」
「港町に行かなくちゃいけないんだ」

@悪魔っ子
「……お前、港町に着いたら」
「隣りの大陸に渡るつもりなんだろ?」

@勇者
「まあな」

@悪魔っ子
「お前みたいな、弱っちい奴は……」
「隣りの大陸なんかに行ったら、絶対に死んじゃうぞっ!!」
「絶対……」

@勇者
「それでもオレは、行かなくちゃいけないんだよ」
「それが、死ぬほど危険な場所だとしてもな」

@悪魔っ子
「…………」

@勇者
「しかし、それにしても……」
「隣の大陸って、そんなに厳しい場所なのか?」

@悪魔っ子
「ああ……アタシぐらい強くないと、今のお前じゃ……」

@勇者
「じゃあ、お前、ついてきてくれよ」

@悪魔っ子
「えっ!?」

@勇者
「だって、お前なら隣の大陸でも大丈夫なんだろ?」

@悪魔っ子
「まっ、まあな」

@勇者
「なあ、オレといっしょに隣の大陸に行ってくれないか?」
「お願いだ」

オレは悪魔族の女の子に向かって、深々と頭を下げた。

@悪魔っ子
「しっ、仕方ないなあ」
「そこまでお願いされちゃったら……」
「まっ、まあ、お前を倒すのは、このアタシだから」
「隣の大陸で勝手に死なれても困るしな……」
「じゃあ、ついっていってやるよ」

@勇者
「やった! ありがとう!」

@悪魔っ子
「ただし……条件があるんだ……」

@勇者
「条件?」

@悪魔っ子
「ああ……隣りの大陸に行くには、お父様とお母様に」
「お許しをいただかなくちゃいけない」
「それに、アタシがどんなやつと隣の大陸に行くのか」
「ちゃんと、紹介しておきたいんだ」

@勇者
「まあな」

@悪魔っ子
「だから、さあ……」
「アタシの両親と会ってくれる?」

@勇者
「いいぜ。当然だ」

@悪魔っ子
「ほっ、本当にっ!!」

@勇者
「ああ。ご両親と会って、オレからもちゃんとお願いするよ」
「だから、いっしょに隣の大陸に行こうな」

@悪魔っ子
「うん!」

こうして、悪魔族の女の子が、
オレの仲間に加わった。

 ―おわり―

 

※このビジュアルノベルについて。
制作には、フリー素材・フリーソフトを利用させていただきました。

本作品は『シケモクMK様』開発のゲームエンジン『R9』を使用させていただきました。

キャラクター作成にあたって、『緋龍華 麒麟様』の『キャラクターなんとか機』を使用させていただきました。

背景イラストは、『彩 雅介様』のイラストサイト『きまぐれアフター』より使用させていただきました。

上記ブログ画像のフォントは『あずきフォント』を使用しました。

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