『家庭教師と教え子』 ―ビジュアルノベル―
『家庭教師と教え子』というビジュアルノベルです。
数年前に練習で制作したビジュアルノベルで、
フリー素材を利用させていただきました。
お暇な時にでもどうぞ。
3~5分程度で読めるショートストーリーです。
選択分岐などはありません。
※ダウンロード不要・ブラウザ上で楽しめます。
ただし『Google Chrome』にてご利用ください。
音楽はついていません。
★こちらより→ novel_03 『家庭教師と教え子』
※ずいぶんほったらかしにしているので、サイト上に広告が表示されまくります。すみません。
【本文】
『家庭教師と教え子』
薫子(かおるこ)の家庭教師になってから、半年が経っていた。
@薫子
「先生、今日もありがとうございました」
@オレ
「ああ、お疲れさま」
数学に関して彼女は、
オレが思っていた以上に飲み込みが早い。
この分だと、
今月中にはもう、高校三年生の範囲まで、
終わってしまいそうな勢いである。
薫子はまだ二年生なのに、
来月からいったい何を教えよう……。
@薫子
「ふう~。先生、今日も勉強疲れたね」
「チョコレート食べよ」
「はい、これは先生の分」
@オレ
「ありがとう」
@薫子
「クラスの子にもらったんだけど」
「どこか外国のチョコらしいよ」
高級そうな包み紙を剥がすと、
オレはチョコレートを口に放り込んだ。
授業で疲れた脳を、ジンワリと包み込んでくれるような、
そんな濃厚な甘さ……。
ううっ、甘すぎるっ!
海外のチョコっていつも、
こちらが予想している甘さを遥かに、
オーバーランしてくる気がする。
@薫子
「せん……ちぇい……」
@オレ
「うん?」
@薫子
「……わぁらしぃ、なんらか……」
「顔がポカポカしゅる……」
@オレ
「えっ?」
@薫子
「暑いっ!」
薫子は急に上着を脱ごうとしはじめた。
オレは慌てて止めに入る。
@オレ
「ちょっ……薫子くん」
@薫子
「うふふっ」
薫子の様子がおかしい。
オレは彼女が食べたチョコの包み紙を目にする。
@オレ
「これ……ウイスキーボンボンじゃないかっ!」
「オレのは、普通のチョコだったのに」
@薫子
「うふふっ……ちぇ~んちぇいっ!」
酔っぱらった薫子が俺に抱きついてきた!
……こ、この状況は非常にマズいっ!
今、タイミング悪く、誰かが部屋に入ってきたら、
オレはきっと、家庭教師を首にされてしまう!
@薫子
「ねえ、ちぇんちぇい……」
@オレ
「はい……」
@薫子
「きっ、キスの授業は……まだれすか?」
@オレ
「はっ!?」
「しないしない、そんな授業しないよ!」
@薫子
「ケチ……」
「わらしたち……もう」
「こんなに仲良しさぁんなんらからぁ」
「キスすればいいじゃんっ!」
@オレ
「完全に酔っぱらっていますね」
@薫子
「あのね、先生ぃ……わらしはぁ~」
「家庭教師の二股はいけないと思いますっ!」
@オレ
「……はい?」
@薫子
「先生がぁ、わらし以外の生徒を教えたら駄目れしょ?」
「それ、二股だよ?」
「先生は、生徒何人担当してんのぉ?」
@オレ
「五人だけど……」
@薫子
「五人っ!」
「二股どころか……五股なんて!!!!」
「…………」
「ガクっ……」
どうやら薫子は、気を失ったようだった。
―おわり―
※このビジュアルノベルについて。
制作には、フリー素材・フリーソフトを利用させていただきました。
本作品は『シケモクMK様』開発のゲームエンジン『R9』を使用させていただきました。
キャラクター作成にあたって、『緋龍華 麒麟様』の『キャラクターなんとか機』を使用させていただきました。
背景イラストは、『優月薫様』のイラストサイト『Snow Bloom』より使用させていただきました。
上記ブログ画像のフォントは『あずきフォント』を使用しました。