『幼馴染みとラブレター』 ―ビジュアルノベル―
『幼馴染みとラブレター』というビジュアルノベルです。
数年前に練習で制作したビジュアルノベルで、
フリー素材を利用させていただきました。
お暇な時にでもどうぞ。
3~5分程度で読めるショートストーリーです。
選択分岐などはありません。
※ダウンロード不要・ブラウザ上で楽しめます。
ただし『Google Chrome』にてご利用ください。
音楽はついていません。
★こちらより→ novel_02 『幼馴染みとラブレター』
※ずいぶんほったらかしにしているので、サイト上に広告が表示されまくります。すみません。
【本文】
『幼馴染みとラブレター』
@麻衣
「だからね、ケンちゃんが、もう少しテキパキと」
「日直の仕事を終わらせていたら、もっと早く帰れたのに!」
@オレ
「うるさいなあ……」
「そんなに言うなら、一人で先に帰ればよかっただろ?」
「いつもいつも、いっしょに帰る必要はないんじゃないか?」
@麻衣
「むっ!」
「私は、ケンちゃんのおばさんから」
「ケンちゃんの面倒を見るように頼まれているの!」
@オレ
「面倒ってなんだよ。オレたち、もう中学2年生なんだぜ?」
「麻衣に面倒なんか見てもらわなくても、大丈夫だよ」
@麻衣
「ダメだよ。ケンちゃん、一人で出歩かせると」
「道に落ちてるお菓子とか、拾って食べちゃうでしょ?」
@オレ
「食べね~よっ!」
@麻衣
「もう……ケンちゃん」
「無理して、そんな嘘つかなくていいから」
「5歳のとき、道に落ちてたカステラ、拾って食べたじゃん」
@オレ
「食べてねえよ! そんな記憶ねえ!」
「オレの歴史を勝手に捏造するな!」
「もう、いいよ……」
「ほれ、さっさと帰るぞ、麻衣」
@麻衣
「うん。帰ろ、帰ろ!」
幼馴染みの麻衣とオレは、
都会から離れた田舎町で暮らす、
ごくごく普通の中学生だ。
娯楽と刺激の少ないこの街の中で、
いつもこんな、バカみたいな会話をして過ごしている。
@麻衣
「ほら、ケンちゃん、一人で靴、履ける?」
@オレ
「靴ぐらい、一人で履けるわっ!」
「いいから、お前は自分の靴を履きにいけ」
「ほれ、しっ、しっ!」
@麻衣
「もう!」
@オレ
「まったく……麻衣のやつ……」
「いくらなんでも過保護過ぎる……」
「んっ!?」
上履きから靴に履きかえようと、
下駄箱を開けたときのことだった。
そこには、ピンク色の可愛らしい手紙が入っていたのだ。
@オレ
「手紙?」
(おいおい、ハートマークのシールまで貼られているけど……)
(これって、やっぱり)
(ラブ……)
(レター……)
「ラブレター!!」
@麻衣
「何、手に持ってるの、ケンちゃん?」
@オレ
「おわあああああああああああああっ!」
@麻衣
「うん?」
@麻衣
「えっ……」
「ケンちゃん、それって……」
「もしかして……」
「ラブレター……」
@オレ
「そっ、そうみたいだな、あはは……」
「なんか、オレの下駄箱に入っていたんだよね、あはは……」
「いっ、いや~」
「世の中には、このオレの良さがわかる女の子が」
「一人ぐらいはきっといる、なんて信じて」
「これまで生きてきたわけだけど」
「本当にいたみたいだな……あはは」
@麻衣
「そう……」
「よ、よかったね……ケンちゃん」
「ケンちゃんに彼女が出来たら」
「私がケンちゃんの面倒を見るのも、おしまいなのかな……」
@オレ
「き、気が早いって麻衣」
「べっ、別にまだ、ラブレターをもらっただけで」
「付き合うかどうかはわからないだろ!」
@麻衣
「そう……なの?」
@オレ
「そりゃ、そうだよ」
「それに、オレには……」
「他に、ちゃんと好きな子が……」
@麻衣
「えっ……ケンちゃんって、好きな子いるの?」
@オレ
「えっ……」
@女の子
「あっ……あのぉ……」
突然、オレと麻衣の前に、見知らぬ女の子が現れた。
@オレ
「はっ、はいっ!」
@女の子
「その手紙が入っていた下駄箱って……」
「真田先輩の下駄箱じゃなかったですか……?」
@オレ
「えっ?」
「真田なら、オレの隣の下駄箱だけど……」
@女の子
「す、すいませんっ!! 下駄箱、間違えましたっ!!」
@オレ
「ええっ!!」
@女の子
「ごめんなさい。手紙、返してくださいっ!」
それから、女の子はオレの手から手紙をぶんどると、
ものすごいスピードで走り去っていった。
@オレ
「…………」
@麻衣
「…………」
@オレ
「なあ、麻衣……」
「間違い……」
「だってさ……」
@麻衣
「プっ……」
「あははっ!」
@オレ
「笑うなよ……」
@麻衣
「ごめんごめん。安心したら、おかしくなっちゃって」
@オレ
「安心?」
@麻衣
「ああ、なんでもない、なんでもない」
「残念だったね、ケンちゃん」
@オレ
「お前は嬉しそうだな……」
「まったく、あんなラブレターに振り回されて」
「とんだピエロだったぜ……」
@麻衣
「ホントだよぉ……死んじゃうかと思った……」
@オレ
「えっ?」
@麻衣
「な・ん・で・も・な・い・で・す~」
@オレ
「なあ、麻衣……」
@麻衣
「うん?」
@オレ
「帰ろっか」
@麻衣
「うん!」
―おわり―
※このビジュアルノベルについて。
制作には、フリー素材・フリーソフトを利用させていただきました。
本作品は『シケモクMK様』開発のゲームエンジン『R9』を使用させていただきました。
キャラクター作成にあたって、『緋龍華 麒麟様』の『キャラクターなんとか機』を使用させていただきました。
背景イラストは、『彩 雅介様』のイラストサイト『きまぐれアフター』より使用させていただきました。
上記ブログ画像のフォントは『あずきフォント』を使用しました。